検査・治療について
当院の機材
ダーモスコピー/ダーモカメラ
ホクロを含めた色素性病変を拡大して微細な所見を確認します。皮膚がんとの鑑別に重要な検査です。
顕微鏡
水虫やニキビダニ、疥癬(皮膚の寄生虫)などがいないかを顕微鏡で確認します。また皮膚生検や手術を行った場合、検査結果のレポートを確認するだけでなく、処理した病変部の標本(プレパラート)を当院の医師自身の眼でも確認して皮膚に起こっていることを調べます。
Nb-UVB(ナローバンド UVB)
紫外線照射装置です。治療効果のある波長に特化した紫外線を当てることで、アトピー性皮膚炎や乾癬、掌蹠膿疱症、白班、円形脱毛症などに効果が期待できます。可能なら週2~3回の照射が望ましいのですが、そこまでの通院が難しい場合には1~2週に1回程度の治療間隔で治療を行っています。
クライオスプレー
液体窒素療法を行うための道具です。-196℃の液体窒素をウイルス性イボ(尋常性疣贅)や老人性イボ(脂漏性角化症/老人斑)などに吹き付けることによって治療します。何回か治療を行うことで病変部がかさぶたになって脱落していきます。
皮膚エコー(超音波)検査
皮膚のできものや膿瘍(膿のたまったもの)などの大きさや深さ、性状などを検査できます。特に手術を行う場合には周囲に血管が無いかなども確認できます。トゲやガラスなどが刺さった時に確認できる場合もあります。
皮膚生検
病変部の皮膚を局所麻酔の上、くり抜いて病理検査(顕微鏡での検査)に提出します。検査結果が出るまで通常1-2週間かかります。診断のための最も重要な検査です。
特異的IgE検査
採血での検査です。代表的なアレルギーの原因(小麦、卵、スギ花粉、ハウスダストなど)を調べることができます。ただし、陽性だからと言って必ずしも症状の原因であるとは限らないことも多い(逆のパターンもありえます。)ため、検査結果の解釈には日常的な環境と症状を合わせて考えます。検査結果が出るまで通常1-2週間かかります。
圧迫療法(弾性ストッキング、包帯)
立ち仕事が長かった方に多いのですが、下肢の静脈の問題によって血流が滞り、皮膚炎や潰瘍をきたすことがあります。(うっ滞性皮膚炎/うっ滞性皮膚潰瘍)そういった方に対して静脈瘤や静脈弁不全症が疑われる場合には検査治療が可能な血管外科がある医療機関に紹介しますが、同時に下肢にたまった血液を全身の循環に戻すために下肢の圧迫療法が必要です。弾性ストッキングや弾性包帯の着用を続ける必要がありますので、自宅でも継続できるよう指導、調整を行います。
帯状疱疹ワクチン(生ワクチン、シングリックス)
50歳以上の方が対象となります。ワクチンは2023年時点で2種類あり、それぞれ効果や副作用、対象患者(基礎疾患や使用薬剤によっては生ワクチンの接種はできません。)、値段などが違うため、希望される方は必ず予備診察が必要となります。お薬手帳の持参をお願いいたします。希望される場合にはワクチン接種の予約をとり、後日接種します。(ワクチンに保険適応は無く、接種は自費となります。)
円形脱毛症に対する局所免疫療法
難治性の円形脱毛症に対してガイドラインでも推奨されている治療です。病変部にわざとかぶれさせる薬品を外用することで病変部局所の免疫反応を変化させることにより治療効果が期待できます。いくつかの手間や注意点があるため、適応がある方へは説明、同意を得てから治療を開始しています。
ウイルス性イボ(尋常性疣贅)に対する液体窒素療法や水いぼ(伝染性軟属腫)に対する摘除以外の治療法
基本的にはこれらの治療を勧めていますが、痛みを伴う治療のためなかなかできない場合もあります。そういった方に対して次善の治療法を検討、提案いたします。
受診される皆様にできればお願いしたいこと
より良い対応ができるように下記についてご留意いただけると助かります。
お薬手帳の持参
お薬手帳があることでどんな基礎疾患があるのか、当クリニックで出そうとしている薬と成分が似た処方歴がないかどうか、飲み合わせに注意が必要なものが無いかどうか、処置や手術が必要な場合に抗凝固薬(血液サラサラのお薬)を飲まれているかどうかなど様々な情報が分かります。稀に皮疹や痒みの原因として薬剤が関与していることもあり、その場合には必要に応じて内科かかりつけ医と相談して変更や中断をお願いすることもあります。
顔の症状でお困りの方の診察前のクレンジング
顔の症状でお困りの場合、診察の際には正確に診断できなくなるため、化粧していない状態でお越しいただけますと助かります。化粧されている場合には受付にお申し出いただければクレンジングをお渡しいたします。
処置や手術が必要な場合は汚れても良い服装での来院のお願い
腫れている表皮嚢腫(粉瘤、アテローム)に対して切開して膿を出す処置やケガやヤケドの処置、水いぼや小さなぶつぶつを切除する処置、手術など洗浄液や血液で服が汚れる場合があります。もちろん十分気を付けて対応いたしますが、できれば汚れてもすぐに洗えるような服での来院だと助かります。